インド原発、運転開始 住民の反対押し切り
【ニューデリー=岩城聡】インド原子力発電公社は14日、南部タミルナド州にあるクダンクラム原発1号機の運転開始に成功したと発表した。同原発を巡っては、福島第1原発の事故で住民による反対運動が激化し死者も出たが、原発推進を掲げるシン政権が操業にこぎ着けた。
出力は100万キロワットで、ロシアの技術協力を受けて2002年に着工。11年中の稼働が予定されていたが、周辺には04年のスマトラ沖地震で津波が押し寄せたことから東日本大震災の後、住民が強く反対した。
反対運動のグループはインドとの民生用原子力協力協定の締結を進める日本政府に対しても「他国に危険な技術を売る道徳的な正当性はない」と当時の野田佳彦首相に公開書簡を送っていた。