子ども・被災者支援法、対象地域は33市町村 復興庁方針
復興庁は30日、東京電力福島第1原子力発電所事故の被災者を支援する「子ども・被災者支援法」の基本方針案を発表した。放射線量が高く避難指示区域に隣接する福島県中通りと浜通りの33市町村を支援対象地域に指定し支援する。施策ごとに福島県の他地域や周辺の県を「準支援対象地域」に設定し支援する。
基本方針案は9月中旬にかけて一般から意見を公募する。政府は来月末にも閣議で決定する見込みだ。
同法は2012年6月に議員立法で成立した。「放射線量が一定の基準以上」であることを支援の条件にしているが、実際の対象地域の選定が進んでいなかった。放射線量だけで画一的に線引きすると、地域の分断を招く恐れがあった。
復興庁は、市町村単位で支援対象地域を指定した上で、指定から外れた自治体でも必要に応じて支援ができるよう、準支援対象地域を設けた。
復興庁は他の被災者支援策の拡充を目指す。これまで福島県民を対象としていた外部被曝(ひばく)放射線量の調査を福島県外の住民に広げる。被災した子供の精神的な負担を和らげるための自然体験や交流活動でも、同県外での活動に支援対象を拡大する。非営利団体(NPO)などを通して、同県外に避難した被災者に情報提供したり、相談に応じたりする。