日ロ、平和条約交渉再開で合意へ 首脳が今夕会談
【モスクワ=佐藤賢】ロシア訪問中の安倍晋三首相は29日午後1時(日本時間同日午後6時)からクレムリンでプーチン大統領と会談し、日ロ平和条約交渉を再スタートさせ、北方領土問題を進展させることで合意する。両首脳は会談の後、昼食をともにしながら大人数の会合に場を移し、共同声明に署名した後で記者会見する予定だ。
現職首相がロシアに公式訪問したのは小泉純一郎元首相以来、10年ぶり。共同声明では首脳レベルを含む対話、安全保障分野での協力促進などを盛りこむ。今後は6月に主要国(G8)首脳会議、9月にサンクトペテルブルクで20カ国・地域(G20)首脳会議など日ロ首脳が顔を合わせる機会が控えている。首相は今回の訪ロをプーチン大統領との個人的信頼関係を築く第一歩と位置づけている。
首相の訪ロに先立っては、大統領と親交の深い森喜朗元首相が2月にモスクワを訪れている。森氏と大統領は2000年以来、16回の会談を重ねている。森氏は領土問題について大統領に「双方に受け入れ可能な解決策の策定を両国外務省に指示する」との案を提案している。