日本人の海外留学1%、内向き鮮明 OECD調査
経済協力開発機構(OECD)は25日、加盟国の教育政策を分析した報告書「図表でみる教育2013」を公表した。大学など高等教育機関に在籍する日本人のうち国外で学ぶ学生は1.0%(11年実績)にとどまり、加盟34カ国中、米国に次ぐ低い水準。日本人の「留学離れ」が鮮明になった。
国外で学ぶ日本人学生は05年には6万2853人だったが年々減少。11年は3万8535人だった。米国は0.3%で日本とメキシコが1.0%で同順位。1位はアイスランドの18.9%だった。理由として、日本人学生の内向き傾向が強まり「外国に出るリスクへの恐れを反映している」と分析した。
一方、留学生の受け入れ国としての日本は評価した。日本は11年に世界の留学生の3.5%を受け入れており、8番目に大きい水準。「使用言語がほとんど日本語であることを考慮すると際立って大きい」と説明した。
日本の国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出の割合は10年に3.6%となり、加盟国で比較可能な30カ国中最下位だった。最下位は4年連続。1位はデンマークの7.6%で、ノルウェー、アイスランドと続き北欧諸国の充実が目立った。OECD平均は5.4%だった。
教員の労働時間の長さにも言及。国公立の学校教員の年間法定勤務時間は11年で平均1883時間とOECD平均よりも200時間程度多い。報告書は日本の教員が「課外活動や事務処理といった授業以外の様々な業務に追われている」と理由を挙げた。(パリ=竹内康雄)