三浦さん、笑顔で「生きて帰れた」 カトマンズ到着
【カトマンズ=共同】史上最高齢の80歳で世界最高峰エベレスト(8848メートル)の登頂に成功した冒険家の三浦雄一郎さんは26日午前10時40分(日本時間午後1時55分)ごろ、ネパールの首都カトマンズの空港に到着した。
三浦さんは空港の出口付近で記者団に「やっと生きて帰ってこられたという感じだ。酸素が濃いな」と笑顔で語った。
三浦さんは標高6500メートル地点にあるネパール側キャンプ(C2)からヘリコプターで下山。途中のベースキャンプ(5300メートル)では関係者らを前に「おかげさまでエベレスト頂上に登れた。頂上は素晴らしい快晴、こんなすごいことはなかったと思う」などと喜びを語った。
予定より時間がかかった下りについては「登りよりはるかに危なかった。一歩間違えたら死んじゃうので。生涯でこれほど疲れたことはない」「下山の長時間記録を作ったと思います」などと、ユーモアを交えて話した。また、帰国後は「温泉にどっぷりつかって、ゆっくり、のんびり酒を飲みたい」と語った。
三浦さんは登頂後の24日午後11時35分(日本時間25日午前2時50分)ごろ、医療スタッフが待機するC2に到着。25日中にヘリコプターでカトマンズへ向かう予定だったが、疲労などを考慮して断念した。
三浦さんは3月29日に日本を出発し、4月16日にベースキャンプに到着。5月16日にベースキャンプを出発し23日午前9時(日本時間午後0時15分)ごろエベレスト登頂に成功。一時、脱水症状に陥るなどしていた。
三浦さんは70歳だった2003年と75歳だった08年にもエベレスト登頂に成功し、今回で3回目。08年にネパール人が76歳で達成した最高齢記録を塗り替えた。
三浦さんは76歳の時にスキーの事故で大けがを負ったが完治。持病の不整脈の手術も行い、自転車で長距離を走るなどしてリハビリを続け、エベレスト登頂に挑んだ。