南海トラフ地震、沖縄への影響調査へ 海洋機構など
海洋研究開発機構は23日、東海沖から九州沖の太平洋海底に延びる南海トラフで地震が発生した場合、その南西方面にある南西諸島(鹿児島、沖縄両県)周辺がどのような影響を受けるか調査を始めると発表した。
南西諸島周辺では過去に大きな地震や津波が繰り返し起きている。最大でマグニチュード9級の規模が想定される南海トラフ地震が起きた際に、この地域で大きな地震が誘発され、さらに被害範囲が拡大する恐れがないか検討が必要だという。
本年度から8年かけて調査。東京大、東北大、名古屋大、京都大なども参加する。
機構の金田義行プロジェクトリーダーは「南海トラフから南西諸島にわたるシミュレーションを行い、災害対策に生かしたい」としている。
南西諸島の巨大地震は発生年や規模が不明なケースが多く研究が進んでいない。海底地震計を10個以上南西諸島海域に設置し、地震活動を観測したり、過去の津波で海岸に打ち上げられた「津波石」と呼ばれるサンゴ石を調べたりする。〔共同〕