高校生「留学したくない」6割 文科省調査
全国の高校生の約6割が「留学したくない」と考えていることが3日、文部科学省が2012年度に実施した調査でわかった。語学力や留学費用を心配する生徒が多かった。一方で高校生の留学を支援する自治体は倍増。留学費用の支援制度を設けたり、留学経験者を高校に派遣したり、生徒の内向き姿勢を打破しようと躍起になっている。
アンケートは無作為に抽出した高校生のうち約50万人から回答を得た。
「いつか留学したいと思うか」と尋ねたところ、58%が「思わない」と回答し、「留学したい」(42%)を上回った。理由(複数回答)は「言葉の壁」(56%)が最も多く、「経済的に厳しい」(38%)、「外国での生活や友達関係が不安」(34%)などが目立った。
留学したらやってみたいことは「語学力を向上したい」(61%)が最多で、「外国の人と友達になりたい」(55%)、「外国の文化やスポーツに触れたい」(51%)が多かった。
自治体は留学支援に力を入れている。12年度に支援制度があったのは39都道府県で、11年度に比べて約2倍に増えた。留学費用の支援のほか、留学情報を提供するフォーラムを開いたり、外国人高校生を招いたり、海外を身近に感じる機会を設けている。
また、同省が全国の高校などに11年度の留学状況について調査したところ、3カ月以上留学した生徒は3257人で、08年度と同水準だった。留学期間は6カ月~1年が最も多く2973人だった。行き先は米国やニュージーランドなど英語圏が8割を占め、ドイツ、フランス、中国が続いた。