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カネボウ、「白斑」1万人で特損拡大も 売上高減も続く

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カネボウ化粧品が発表した第三者委員会による内部調査の報告書は同社の問題認識の甘さを厳しく批判した。美白化粧品の自主回収の遅れが被害拡大につながり、肌がまだらに白くなる「白斑」の発症者は1万人に達する見通しだ。店頭のカネボウ製品の売上高は2割減の状態が続き、慰謝料支払いが膨らむことで親会社の花王が計上する特別損失が当初想定を上回るなど経営への打撃も大きい。

カネボウでは完治を確認した白斑発症者への慰謝料の支払いを順次始めている。金額は化粧品の使用期間や症状の重さに応じて個別に算出する。花王は7月末、慰謝料の支払いなどでかかるカネボウ関連の特別損失を2013年12月期に56億円計上する見込みと発表していた。発症者が1万人規模となった今、さらに膨らむ公算だ。

落ち込んだ売上高の回復に向けて、カネボウは自主回収の対象となった主力の美白化粧品「ブランシールスペリア」を年内をめどに再発売する準備を進めている。白斑症状の原因とされている独自の美白成分「ロドデノール」は使わず、別の独自の美白成分「マグノリグナン」や一般的な美白成分であるビタミンCの配合を検討する。

自主回収を発表した7月4日以降、約2カ月間自粛していたテレビコマーシャルもメーキャップブランド「ケイト」とヘアケアブランド「サラ」で今月8日から再開。スキンケア化粧品以外から「正常化」への地ならしを始めている。

とはいえ、売上高の回復には信頼回復が不可欠になる。11日に記者会見した夏坂真澄社長は「信頼のあるカネボウを作り直す」と強調したが、道のりは長い。カネボウが打ち出した再発防止対策は花王との品質管理部門や顧客相談窓口の統合が中心。社内調査を担当した第三者委員会の中込秀樹弁護士は問題認識の甘さなど「社内の意識改革がないと抜本的な組織立て直しはできない」と指摘する。

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