コマツ会長「だらしない」 独韓の円安懸念に苦言
政府の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)の民間有識者であるコマツの坂根正弘会長は8日午後、日本外国特派員協会で講演し、為替相場に関して「円は対ドルでも対人民元でもリーマン・ショック前から30%高くなってから、15%戻っているだけ」と指摘した。そのうえでドイツや韓国の要人による円安けん制発言に対し「日本が(かつて世界に)もっと訴えるべき話であって、ドイツのトップ、韓国のトップがこんなことで音を上げるのでは、だらしがない」と主張した。
環太平洋経済連携協定(TPP)に関しては「産業競争力会議では、参加しない前提で意見を言うつもりはない。(不参加は)まったくの論外」と強調した。「ポテンシャルはアジアにあり、アジア経済の発展には政治の安定がマスト(必須)」とし、米国が入らない仕組みでは「アジア政治の安定はない」との見方を示した。
この日の講演は「ドイツに学ぶべきこと」がテーマの1つ。「ドイツは経済圏を作った。ドイツは高い通貨マルクに悩んできた。ユーロ安の恩恵を受けているいまユーロ圏他国をどれだけ手助けしてもおつりが来る」との認識を示した。ドイツで具体的に優れている点としては、企業倒産法の改正で早期破綻申請を促し、産業の新陳代謝を活発にしたことや、女性活用が日本よりはるかに進んでいること、林業など1次産業のIT(情報技術)化などを指摘した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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