政府、中国に厳重抗議 尖閣周辺での領空侵犯で
藤村修官房長官は13日、沖縄県の尖閣諸島上空で中国国家海洋局所属の航空機が領空侵犯したと発表した。防衛省によると、中国機による日本の領空侵犯が確認されたのは初めて。航空自衛隊はF15戦闘機を緊急発進(スクランブル)させた。同時期に中国の海洋監視船4隻も尖閣周辺の領海に入った。領海侵入は3日連続で、尖閣国有化以降、17回目。
野田佳彦首相は13日、相模原市での街頭演説で「領土、領海、主権、国益をしっかり守るために万全の危機管理体制を敷く」と強調した。
海上保安庁巡視船が13日午前11時6分ごろ、中国のプロペラ機1機が尖閣諸島・魚釣島の南約13キロメートルの領空に入っているのを確認、領空侵犯しないよう通告した。
航空自衛隊は近くの上空で対領空侵犯措置に当たっていたF15を2機向かわせ、さらにF15を6機と早期警戒機1機をスクランブルさせた。自衛隊機の到着前に中国機は領空外に出た。
外務省の河相周夫次官は中国の韓志強駐日臨時代理大使を同省に呼び、領海・領空侵犯に厳重に抗議した。外務省関係者によると、河相氏は韓氏に「事態をエスカレートさせているのは中国側だ」と厳しく抗議した。
領空侵犯には自衛隊機が出動する。外務省幹部は「中国側も軍を出してきた場合、軍同士の対立になってしまう」と強い懸念を示した。