5月のスーパー売上高2カ月連続減 食品・衣料苦戦
日本チェーンストア協会が20日発表した5月の全国スーパー売上高は1兆492億円だった。既存店ベースで前年同月比1.2%減と2カ月連続で前年実績を下回った。前半の気温が低く夏向け衣料の出足が鈍かった。野菜の価格下落で食料品が小幅に前年割れとなったことも響いた。
部門別にみると食料品が0.7%減だった。このうち農産品は2.9%減。キャベツやじゃがいもの価格が下がったことが影響、バナナ、かんきつ類も不調だった。消費者の節約志向も根強かったようだ。衣料品は5.2%減。紳士向けのカッターシャツやスラックス、婦人向けのシャツなどが苦戦。空梅雨でレイングッズも振るわなかった。クールビズを意識した機能性肌着などが気温が上昇した月後半に伸びたが、前半の苦戦は補えなかった。日用雑貨を含む住関品は1.1%減だった。
同日記者会見した井上淳専務理事は5月の動向について「減少率は縮まり、消費は一時の暗さから脱出しつつある」との見方を示した。足元では株価が乱高下し先行きの景況感に不透明感が出てきたとの指摘について「(安倍晋三政権の経済政策である)アベノミクスが実体経済に波及するには時間がかかる。過度な悲観は必要ないが、楽観も許さない状況だ」として消費動向を慎重に見守る構えを示した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕