四川地震、死者少なくとも157人 負傷者5800人以上
【重慶=大越匡洋】中国四川省雅安市で20日朝に発生したマグニチュード(M)7.0の地震で、国営中央テレビなどは同日夜、地震による死者が少なくとも157人に上り、負傷者は5800人以上と伝えた。中国当局は倒壊した建物に閉じ込められた被災者らの救出活動を急ぐ。重慶市の日本総領事館は「邦人や日系企業の被害情報はない」としている。
中国メディアによると、震源地の雅安市蘆山県に近い同県竜門郷では99%以上の民家が損壊した。周辺の地域も含め、広い範囲で電気や水道、通信が止まり、道路も山崩れなどで寸断されている。土砂でせき止められた川もあるという。
中国政府は被災者の救助を本格化した。李克強首相が陣頭指揮を執るため専用機で被災地入り。人民解放軍と武装警察が計7千人超の隊員を派遣したほか、消防、医療などの関係者も出動した。テントの設営や物資輸送など救援活動も急ぐ。
発生当初、震源地から北東に100キロメートル以上離れた四川省の省都・成都市や、同省の東隣にある重慶市でも揺れを感じた。震源地付近では余震が続いている。成都市の「イトーヨーカドー」は「影響はない」(関係者)という。
四川省では2008年5月12日にM8.0の地震が起き、死者・行方不明者が8万人を超えた。新華社は20日、同省地震局工程地震研究院の周栄軍院長のコメントを引用し、今回の地震は08年の地震の余震ではないとの見方を報じた。