原子力協定妥結へ交渉加速 日印首脳が共同声明
安倍晋三首相は29日夕、首相官邸でインドのシン首相と会談し、両国間の関係強化に向けた共同声明を発表した。日本が大規模な政府開発援助(ODA)を引き続き実施し、インフラ整備などを通じてインドの経済発展を支援する。原子力協定に関しては、早期妥結に向けて交渉を加速させるよう関係当局に指示することとした。
会談で両首脳は、ムンバイの地下鉄建設計画に対する710億円の円借款供与について合意。大都市ムンバイと工業都市アーメダバードを結ぶ高速鉄道に関しても、共同調査に入ることを決めた。
資源外交については、レアアース(希土類)の両国企業による商業生産を可能な限り早期に進める考えで一致。シン首相は、メタンハイドレートからの天然ガス採取に際しての日本の協力に関心を示した。
安全保障面では、水陸で発着が可能な救難飛行艇「US-2」のインドでの導入に向けて、両国間で合同作業部会を設けることとした。海上自衛隊とインド海軍の共同訓練の頻度を増やし、定期的に行うことも決めた。
北朝鮮問題については、核兵器やミサイルの開発計画の進展に懸念を表明。国連安全保障理事会の決議の順守を求めた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕