長周期地震動の観測情報 気象庁が試験提供開始
気象庁は28日、震源から離れた場所で高層ビルを大きく揺らす「長周期地震動」の観測情報の提供を同庁ホームページ(HP)で試験的に始めた。震度1以上の地震が発生した場合、10分後をめどに発生地域や揺れの大きさを示す。
高層ビルの安全管理者らが被害状況を推定し、迅速な初動対応に役立ててもらうのが狙い。
観測情報は全国を188地域に分割。最大の揺れの大きさを4階級で表現する。HP上では各地域の揺れが一目で分かるよう地図を階級ごとの色で塗り分ける。
最も揺れが大きい階級4は室内で「固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある」レベルで震度6強以上に相当する。地図上では赤で表示する。東日本大震災で東京湾岸にある高さ100~150メートル級のビル上層階で起きた揺れが階級4に相当するという。
長周期地震動の観測情報の提供については、気象庁の検討会が昨年10月から発表方法などを議論しており、震度速報のようにテレビやラジオなどで広く公表する方法も検討している。同庁は今後、発表方法に改良を加え、来年度以降の本格運用を目指す。