伊方原発が最有力 電力4社、8日に再稼働申請
原子力発電所の安全対策を強化するための新しい規制基準が施行される8日、北海道、関西、四国、九州の電力4社は原発の再稼働を申請する。原子力規制委員会は施行の初日に申請する場合、5日の午後3時までに連絡するよう求めていた。対策の進み具合などを考慮すれば、今のところ四国電力伊方原発(愛媛県)の再稼働が最有力だ。
8日に申請する原発は伊方3号機のほか、北電泊1~3号機(北海道)、関電高浜3、4号機(福井県)、同大飯3、4号機(同)、九電川内1、2号機(鹿児島県)。各社は地震や津波などによる重大な事故を防ぐ対策を進めてきた。九電は玄海3、4号機(佐賀県)の準備が間に合わず、12日に申請する。
東京電力は柏崎刈羽6、7号機(新潟県)で早期の申請を目指してきたが、地元との調整が難航。広瀬直己社長は5日、新潟県庁を訪れ、運転再開の前提となるフィルター付きベント(排気)装置の設置に関する事前了解を求める書類を渡そうとしたが、拒まれた。広瀬社長は記者団に「(8日の申請は)厳しい」と先送りを認めた。
規制委は申請を受け、安全対策が十分かを確かめる。新基準を満たした部分が多い原発を優先して審査する方針だ。現地調査を経て、早ければ半年程度で審査を終える。年末年始にかけて新基準に基づく第1号の再稼働の判断が固まりそうだ。その後、電力会社が地元の合意を取り付ければ、再稼働は可能となる。
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